部活やめるんだって?
今思えば、学校っていろんな奴がいたんだな、と思う。
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久しぶりに「桐島、部活やめるってよ」を観た。とても好きな映画で、何度も観ている。
観たことのない人のために簡単にストーリーを(ネタバレにならない程度に)説明すると、高校のバレー部のエースである桐島が周囲に訳も言わず突然部活を辞めてしまい、そのことで高校生達の日常に波紋が広がり、普段隠れていた人間関係やそれぞれの想いが露わになって、…という筋書きである。公開当時は、「桐島が最後まで登場しない」ことで話題になった。
僕はオタクで、基本的にヒエラルキーの最下層に属して生きてきた人間なので、映画部の面々に共感して観る。
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今は昔、私は高校生だった。太古の昔のことなので殆ど記憶にないが、高校生ってのはきっと大変なんだろうな、と思う。これだけ立場やキャラクターの違う人間がひとところに集められて一日中同じ授業を受けさせられる訳である。いろいろ気疲れするだろう。大学生になったら授業は選択制だし(いかないのも自由だ)、人間関係はサークルやらの似た者同士でつるむことになるので少し事情は異なる。ありふれた言い方かもしれないが、学校にも社会はあるのだろう。
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私は忘れっぽいので、高校や大学時代の出来事の大半は記憶にないのだけれど、「桐島〜」を観ると、いろんな人がいたな、と思い出す。普段は自分とその周辺だけで世界が構成されているような気になっているのだけれど、本当はもっとグラデーションがあることに気付かされる。「桐島〜」に登場するキャラクター達はそれぞれに(周囲からみたらしょうもないことなのだが)悩みを抱えている。彼らにとってそれは切実なことなのだ。
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様々な立場のキャラクターを書き分けられるのは、作家にとって重要な能力である、と思う。「みんな」が登場する、そんな作品が私の夢だ。
更新がしばらく途絶えていてすみませんでした。今日は来てくれてありがとうございます。時には学生時代に関わった、殆ど関わりのなかったあの子のことを思い出してみるのも悪くないかもしれません。
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