イノウエ

記事一覧(22)

アイスクリームの話。

「アイスクリームの新味をコンビニで見かけた、興味が湧いて買ってみた、わりと旨かった、こういうことが大事なんですよね」& & & & &と言ったのは、わたしの大学の後輩である。もう3年ほど前に聞いた言葉だが、今でも心の片隅に残っている。たしか就活をしているときだったと思う。私は2年留年していて、彼は私の一つ下で、彼もまた留年していて、ダメ同士同じタイミングで就職活動をしていた。私も彼も芝居をやっていたので、できればそれに近い、クリエイティブな(空虚な言葉である)職につきたいと思っていた。€€€€€結局、彼はテレビ局に決まり、私はうまくいかず、教授のツテで建設業界に就職したのであった。  $ $ $ $ $最近、「しばいのまち」という演劇関連の情報を発信しているウェブメディアで、縁あって編集部のお手伝いをすることになった。自分で記事を書いたりもする予定である。編集会議なんかでは大層ご立派な口を叩くわけであるが、それをいざ記事にしてみると、「嘘っぺえ〜!!」となるわけである。なんというか、「本当に思ってんのか?」という感じなのである。そんな時、私は後輩の「アイスクリームの話」を思い出す。すると、ちょっとマシな言葉が出てくる気がするのだ。今日もお疲れ様です。久しぶりの更新でした。僕はハーゲンダッツが好きです。ト

チマタデハヤリノ

大人の乗り物

社会人になって、気軽にタクシーに乗る機会が増えたように思う。ちょっと遅刻しそうになると、すぐ道に向かって手を上げてしまう。終電間際になっても、「まあタクシーで帰ればいっか」なんて考えで明け方まで飲んでしまったりするのだけれど、積み重なればなかなかの出費である。€€€€€子供の頃は、タクシーというのは大人の乗り物だと思っていた。タクシーに乗る機会といえば、実家に帰って親族一同で食事に行く時くらいだったが、「ここは俺が払うよ…」「ああ、そう、悪いねぇ…」なんてやり取りは、どこか大人びてカッコいいなと思っていた。それが今や乗りたい放題(というかやりたい放題)である。いつの間にか、大人の階段を飛び越えてしまった感が否めない。$$$$$$この前の月曜日、神田から南千住まで歩いた。日中に、徒歩で、である。その日は記録的な猛暑で、熱中症で病院に搬送された人の数が、東京だけで100人を超えたらしい。そんななか、徒歩で、である。もちろんタクシーは使っていない。普段は口数の少ない陰気な人間なのだけれど、歩きながら話すとスルスル言葉が出てくる。リズムが付くからなのか、風景が変わることで気がまぎれるからか、理由は分からない。目的もなく歩くなかで何気なく交わした会話こそ、案外心に残っていたりするものだと思う。>>>>>中島みゆきの「タクシードライバー」という曲をご存知だろうか。後部座席で酔っ払って泣いている女性に対して、タクシードライバーが訳も聞かずに、天気と野球の話を延々としている、という歌である。自動運転もいいけど、やはりタクシーにはタクシードライバーが必要だと思う。悲しいことがあった日は、訳も聞かずに天気と野球の話ばかりしてほしいのである。今日も劇団春眠党ホームページに来てくれてありがとう。なんだかコブシのきいた文章になっちゃったな。ト

夏といえば…これでしょう

皆様お久しぶりです。お元気でしたか?最近暑くなってきましたね。もう夏はすぐそこまで迫ってる、という感じです。そういった季節の変わり目に、その「季節らしい」映画や小説に触れたくなるという方は多いのではないでしょうか?みなさんは夏といえばどんな作品を思い浮かべますか?私は、フランソワーズ•サガンの「悲しみよ、こんにちは」ですかね。なんといっても、あの海辺で二人が抱き合うシーンが…€  €  €嘘です。「サマーウォーズ」を見ました。初めて見ました。いやあ、いい映画ですね。泣けます。夏が来るたび見たくなるでしょう。「悲しみよ、こんにちは」も、一応途中まで読んだ気がします(うろ覚え)。海辺で抱き合うみたいなシーンもあった気もします。(もちろんうろ覚え)。いい小説ですよ。たぶん。$  $  $サマーウォーズ、予想を超えて(失礼!)いい映画でした。青春ものとしての出来もいいのですが、家族映画としてみてもステキでした。特に医者のオジさん(親戚がたくさん登場しすぎて不明瞭ですが)が、縁側で煙草を吸ってる画なんて独特の色気がありました。アニメなので、めちゃくちゃ飛躍する展開もあるのですが、時々グッとくるリアリティみたいなものを感じる瞬間もあり、とても楽しめました。£ £ £まだ夏は始まったばかりです。今年の夏はどんな夏になるでしょうか?この週末は準備運動に、あなたとっておきの「夏らしい映画」を見るのも悪くないかもしれませんね!(もちろんパートナーとね!)久しぶりの更新でした。ananの占い記事とか書いて見たいな(読んだことないけど)。山羊座のアナタ!今日はあなたにとってかけがえのない一日になりそうです!!…水星と木星が165°の角度を形成しています…。これは…またとない好機です!!!今日、あなたが教室で隣に座る彼!彼があなたの運命の彼かも?思い切って声をかけてみちゃってください!!天草色のスニーカーを履いて出かけると吉!うーん…。今日も来てくださってありがとうございます。次回からは占いブログになります。ト

部活やめるんだって?

今思えば、学校っていろんな奴がいたんだな、と思う。★久しぶりに「桐島、部活やめるってよ」を観た。とても好きな映画で、何度も観ている。観たことのない人のために簡単にストーリーを(ネタバレにならない程度に)説明すると、高校のバレー部のエースである桐島が周囲に訳も言わず突然部活を辞めてしまい、そのことで高校生達の日常に波紋が広がり、普段隠れていた人間関係やそれぞれの想いが露わになって、…という筋書きである。公開当時は、「桐島が最後まで登場しない」ことで話題になった。僕はオタクで、基本的にヒエラルキーの最下層に属して生きてきた人間なので、映画部の面々に共感して観る。★  ★  ★今は昔、私は高校生だった。太古の昔のことなので殆ど記憶にないが、高校生ってのはきっと大変なんだろうな、と思う。これだけ立場やキャラクターの違う人間がひとところに集められて一日中同じ授業を受けさせられる訳である。いろいろ気疲れするだろう。大学生になったら授業は選択制だし(いかないのも自由だ)、人間関係はサークルやらの似た者同士でつるむことになるので少し事情は異なる。ありふれた言い方かもしれないが、学校にも社会はあるのだろう。★  ★  ★  ★  ★私は忘れっぽいので、高校や大学時代の出来事の大半は記憶にないのだけれど、「桐島〜」を観ると、いろんな人がいたな、と思い出す。普段は自分とその周辺だけで世界が構成されているような気になっているのだけれど、本当はもっとグラデーションがあることに気付かされる。「桐島〜」に登場するキャラクター達はそれぞれに(周囲からみたらしょうもないことなのだが)悩みを抱えている。彼らにとってそれは切実なことなのだ。€ € €様々な立場のキャラクターを書き分けられるのは、作家にとって重要な能力である、と思う。「みんな」が登場する、そんな作品が私の夢だ。更新がしばらく途絶えていてすみませんでした。今日は来てくれてありがとうございます。時には学生時代に関わった、殆ど関わりのなかったあの子のことを思い出してみるのも悪くないかもしれません。ト

タバコミュニケーションの害について

大人の乗り物だった

最近、よくタクシーに乗っている。「あ、やばいな、遅れそうだな」と思ったらすぐに乗ってしまう。財政的に大変よろしくない。わかっていても乗ってしまう。よろしくない。★  ★  ★子供の頃は、タクシーに乗るという行為にどこか大人びた雰囲気を感じていた。年末年始に親戚で集まった時によく乗っていたので、「特別な時にしか乗らないもの」というイメージがあったのかもしれない。お勘定の時の、「ここは俺が払うよ…」「あ、そう。悪いねえ…」みたいなやり取りは、大人びてカッコよく見えた。それが今や、遅刻のリカバリーに使うようになってしまった。大人の階段を飛び越えてしまった感がある。★  ★  ★  ★  ★タクシーといえば、中島みゆきの「タクシードライバー」という曲をご存知だろうか。とてもいい歌なので、是非一度聞いていただきたい。歌っていうかほとんど語りです。みゆき語ってます。タクシードライバー、苦労人と見えて私の泣き顔、見えて見ぬふり天気予報が今夜も外れた話と野球の話ばかり、何度も、何度も、繰り返前の会社にいた時、難波にある謎の「生ドラム喫茶」で歌ったら、そこのママに「あなた演歌のドラマーになりなさい!(?)」と言われたのもいい思い出だ。今日も劇団春眠党ホームページに来てくれてありがとう。タクシードライバー、いい歌なので是非聴いてね。ト

来年のさくらのはなし

今日家の周りをぶらぶら歩いていたら、「さくらの枝を折らないでください」という注意書きを見かけた。どうやら街路沿いに植えられている並木はすべて桜の木のようだ。なるほど、だから桜新町なのか、と合点がいった。なにかと桜に縁があるらしい。中学校の時に通学していた兵庫の夙川は、桜並木で有名だった。毎年春になると川沿いが花見客でいっぱいになり、ブルーシートと男と女で溢れかえった様子を見て中学校ながらに「まったく風情がないな…」と思ったものである。大学生の時に 実家が引っ越した先も桜の名所だった。私の部屋の窓からは桜の花が綺麗に見えた。そんな環境で育ってきたのに、じっくりと腰を据えて桜を眺めたことが、実は一度もない。中学生の時は地面をみながらいやらしい妄想ばかりしていたので、桜なんか見向きもしなかったし、大学では演劇サークルの新歓公演の準備で忙しくて花見どころではなかった。…思い出した。ここ最近でまともに桜を見たのは、春眠党第一回公演の本番の時だった。初日にはまだ蕾だった桜の花びらが、2日目には6部咲きくらいになっていた。あれはいい桜だった。あまり花に興味がない私にも、美しいと感じられた。今日もHPを見にきてくれてありがとうございます。来年の春は、どんな春になるのでしょう。ト

◯◯に捧ぐ

大学時代の友人からひさしびりに連絡が来た。これといった用事はないようで、「最近何してるの?」とか、「仕事は慣れた?」というような、他愛のない話に終始した。★ 「芝居をやろうと思ってる」というと、「へえ、そう」と興味があるのかないのかわからない返事が返って来た。「どういう内容のモノにしようか悩んでいる」という話をすると、彼じゃ最近読んだ漫画の話をしてくれた。★  ★  ★その漫画は、作者が幼少期に仲が良かった友人とのやり取りを、ゆるいタッチ出描いたものらしい。タイトルは「岡崎に捧ぐ」だったと思う。(うろ覚えなので間違えていたらすみません)彼いわく、「タイトルがいい」らしい。「捧ぐ」という言葉がいい。「捧ぐ」という言葉にはどこか、死んだ人に手向けるようなニュアンスがある。内容は基本的に友人との緩やかな日常をコミカルに描いたものである。だからこそ、そのタイトルとのギャップに想像力が刺激されるのだ、ということらしい。「そういう、繊細で、個人的な表現してをしてほしい」のだそうだ。★  ★  ★  ★  ★電話を切ると、心なしか自分の心が少し緩んでることに気づいた。別に励ましあったりだとか、慰めあったりということはなかったのだけれど、こっちに越して来てからずっとあった緊張が緩んでいた。ひさしびりに話すと、自分も相手も変わったな、と思う。けれど、時間が経っても、自分の対して何かを期待してくれる人がいるのはいいことだな、と思う。今日もみに来てくれてありがとうございます。時間が経つのは早いものです。ト